ラウル追憶


《 い つ も 》



いつも2人で前線に立ってきた。
僕たちはいつも、リーダーに、クランメンバーに最強と言われて生きてきた。
何年前の事だったんだろう、2人で生きていこうと誓った日から、僕たちは運命共同体の関係にあった。


僕の大切なパートナー。
今日の朝もいつも通り不機嫌だ。
目が深い海のように蒼くて、髪が闇みたいに真っ黒で、
背がちょっと低くて、性格もちょっと悪くて、
とにかく強くて、すごく強くて。

「僕がパートナーなんてもったいないくらい・・・」

そばにいてもどこか遠い存在で。
それに気付いたのは、初めて会った日から数えきれないほどの日にちがたったころ。


僕の大切なパートナー。
無愛想で、無口で、話せば言葉が悪くって、何考えてるのか分からなくて、 
でも本当はすごく優しくて。

「君って素直じゃないなぁ・・・。」

って言ったら、苦笑しながら、そのせいでいつも後悔すると、僕の眼を見て言ってくれた。
初めて笑った顔見せたのも、遠く過ぎていった過去の日の中。


2人で旅して送った日の中で、何度も何度もエンゲージをした。
君が敵を攻撃する。僕が君を守る。
攻防を磨いてきた僕は、君を攻撃しようと向かっていく奴等をことごとくはじいてきた。
2人で、6人と戦った時もあった。
勝って。負けて。
2人で同じ分の経験値をつんでいった。


僕の大切なパートナーは、相手が何であろうとためらうことなく向かっていく。
どんなに攻撃されようと絶対にひるまない。
僕が君を守っていなきゃいけなかったのに、逆に僕をかばって死にかけたときもあった。
その強さは何から得るの?
その強さが欲しい・・・君のその強さが欲しいよ。


・・・でも本当は僕、知ってるんだ・・・


君がたまに見せるその顔は、僕と出会ってからもずっと引きずり続けてきた暗い過去が、
君の中に強く存在しているときだ。
君の考えてることがだんだんと解り始めたのは、本当につい最近。


僕の大切なパートナー。
誰よりも強くて、誰よりもひねくれてて、誰よりもいい事言ってくれて、誰よりもそばにいるのに、


誰よりも、・・・いつも独りだ。


みんないる。僕も、クランメンバーも。
前より話すようになったし、笑うようになったよ。
でもやっぱり、いつも独りだ。
誰よりいつもそばにいて、一緒に生きてきた僕は、何?
それとも、僕が独りなのかな。
そうなのかも・・・なんか・・・一気に淋しいな・・・。


「お は よ」


・・・いつもの朝だ。「おはよ」と声をかけてきたのは、・・・僕のパートナーだ。


「おはよう・・・」
「あぁ。・・・今日ってさ、17日だよな」
「え??・・・うん」
「誕生日おめでと。・・・ま、何もないけど」


あっ、あれ??!そういやそうだったよ!
自分の誕生日も忘れてたなんて、僕そうとうめいってたんだな。


「はーっありがとう*覚えててくれたんだぁ〜」
「前あんだけうるさくアピールされたら、覚えてない方がおかしいから・・・」
「あれ?そうだっけ」


あー覚えててくれたんだな。やっぱりなんかうれしいなぁ♪
この人しか僕の誕生日知らないんだよね。っていうか、他の人には教えてなかったし。
さっきまで何ふさいでたんだろう。今度は一気に明るくなった。


「何にも無いの〜??けちーーー・・・」
「ペナルティカードならいくらでもあげる。何枚欲しい??」
「げっ・・・いらないよ!」
「・・・じゃ・・・俺とクエスト行く?」
「えっ仕事!?行く!最近退屈だったんだよね〜」


外。晴れてる。いい天気だなぁ〜〜。
こうして2人で歩いてると、クランに入る前みたいだね。
ちょっと前まで独りだと思ってたのが嘘みたいだな。
「僕が」君についていくよ。だから、これからも2人でいようね・・・。


君が独りにならない為に。僕が独りにならない為に。
いつも2人で生きていこう。この先どんなことが起こっても。


END