《 あの日 》
『良いクランないかなぁ。』
ひたすら探し続けていた。
イヴァリースでいちばん強くなれるようなクランを。
自分の名が売れるようなクランを。
もうこんな退屈な日は嫌だよぅ。
良いクランないかなぁ・・・。
通りかかったのは、カドアンの街だった。
あまり来た事が無くて、ちょっと楽しくてふらふらと歩いてたら、
街の人が同じ方向に歩いていくのに気付いた。
「何かあったんですか?」
聞いてみると、その人は早く行きたいのにという顔をして、
「白魔道士がバンガ族のクランと喧嘩してんだってよ」
と言って、走って行った。
「白魔がバンガ族のクランと・・・」
気付くと僕は、その場に1人で突っ立っていた。
すごい人だかり。エンゲージなんて見えやしない。
ジャッジのつの(?)がちょっと見えるくらいだよぅ。
好奇心で来てしまったけど、この人だかりは困ったなぁ。
小さい体をいいことに、僕は思い切って
人の山に入っていった。
あっ、見えた!
本当に白魔とバンガが戦ってるよ!!
バンガ族のメンバーはすでに2人倒されていて、
残った3人が白魔を攻めようとしている。
「あの白魔さん、闘士の技使えるんだ・・・」
その白魔道士の手先には、ちょっと血が付いていた。
ローブのすそも点々と赤く汚れている。顔は返り血を浴びていた。
一体この人、何者なんだろう・・・。
詰め寄せた街の人たちは、白魔さんの応援をしているみたいだった。
バンガ族のメンバーはどうにかして白魔さんを倒そうとしてるけど、
攻撃はなかなか当らない。逆に攻撃されて、1人バンガが吹っ飛んだ。
ジャッジから、ジャッジポイントを与える光が飛んだ。
すごい強い・・・こんな白魔道士もいたんだな・・・。
すごいなぁこの人。どこかのクランメンバーなのかな。
ヴィエラみたいに速いし、モーグリみたいに器用に技を繰り出す。
バンガ並みの力もあるみたいだし、本当にすごいなぁ・・・
すご・・・・・・・
あっっっ!!!
大変だ!白魔さん、もろにバンガの攻撃くらっちゃったよ。しかも頭に。
うわぁ・・・すごい血だ。ひどいなぁ。
うーんどうしよう。エンゲージは割り込み禁止だからなぁ・・・;
第一僕が入ったとしても、僕も白魔だからあんまり・・・
そのとき、なんとか立ち上がった白魔さんが大きく後ろに跳んで、
不意をつかれた2人のバンガの間に
波動撃をくらわすのが見えた。
笛の音。エンゲージ終了。
見ていた人たちは興奮した様子で、口々に何か言いながら帰っていく。
僕は白魔さんの方に走って行った。
白魔さんは、片手で頭を押さえてしゃがんでいた。
自分で回復魔法をかけるつもりらしいけど、出来るような状態じゃない。
(・・・街の人たち、けっこう冷たいなぁ。)
僕は杖を白魔さんに向けて、回復呪文を唱えた。
『・・・・・ケアルラ・・・・・』
白い光が飛び出した。
白魔さんはちょっとびっくりしたみたいだったけど、
すぐに僕を見て言った。
「・・・・・・・ありがとう」
うーわー青い眼だ。キレイだなぁ・・・。
宝石のようなその眼に見とれて、僕は言葉を無くしてしまった。
その白魔さんはやっぱりあるクランメンバーで、
仕事のために白魔道士なっていたんだって。
バンガ族との喧嘩も、向こうから勝手にふっかけて来たんだって。
その白魔さんはケアルラのお礼をしたいと言ったから、
僕は最初断ったんだけど、どうしてもと熱心に言うので、
「クラン探してるんだ・・・強いクランを」
といったら、自分のクランに僕を紹介してくれた。
リスクブレイカーの称号を持つ、そのクランへ。
そしてある日・・・。
「あ、セドリック、モンブランが探してたぞ」
「えっ本当?じゃあ行かないと・・・」
「あっちの方で探してたぜ」
「うん分かった。・・・あっそうだエメット!ちょっと今ある事思い出してたんだけどさ」
「・・・なんだよ」
「もう白魔やらないの?」
END